昭和道場少年部
心技体レポート|サンプル
昭和道場少年部では、技ができる・できないだけではなく、
稽古や遊び、人との関わりの中に現れる小さな変化を
継続して観察しています。
心技体レポートでは、一定期間に蓄積した複数の観察を振り返り、
「心」「技」「体」の三つの視点から、
一人ひとりの成長をご家庭へお伝えしています。
掲載しているサンプルについて
以下の3つのレポートは、
少年部で実際に記録された複数の生徒・複数の時期の観察をもとに、
個人が特定されないよう内容を組み替えて再構成した架空の例です。
特定の生徒について書かれたレポートではありません。
SAMPLE REPORT 01
ある生徒の成長の記録
周囲との関係の中で、自分にできる役割を少しずつ見つけてきた例
心
自分のことだけでなく、周囲へ目が向くようになってきています
稽古を重ねる中で、自分のことだけでなく、
周囲の生徒が何をしているのかにも
自然に目が向くようになってきました。
年下の生徒が少し困っているときには、
指導員から頼まれる前にそばへ行き、
必要なところだけ手助けする姿が見られます。
また、相手がすぐに動き出せないときにも、
強く急かすのではなく、
少し待ちながら相手のペースに合わせられるようになってきました。
「自分が何をしたいか」だけでなく、
「今、この場で何が必要なのか」を感じながら
行動できるようになってきたことに、
大きな成長を感じています。
技
自分の理解を、相手との稽古にも使えるようになっています
技についても、
自分ができるようになるだけでなく、
理解したことを他の生徒との稽古に生かす姿が増えてきました。
初めて取り組む相手には、
自分だけが技を進めるのではなく、
相手が動きやすいように少しゆっくり動いたり、
必要なところでは見本を見せたりしています。
ときには、自分が覚えたことを言葉で説明することもあります。
人に伝えようとすることで、
自分自身も「どこが大切なのか」を確かめ直しているようで、
技の理解が一段深くなってきています。
体
相手に合わせて、身体の強さを調整できるようになってきています
身体の面では、
強く動けることだけでなく、
相手に応じて力の出し方を変えられるようになってきました。
体格の小さな相手には、
自分の力をそのまま出すのではなく、
相手が安全に動ける速さや強さへ自然に調整しています。
相手の位置によっては、
自分の姿勢や立つ場所を少し変えながら
無理のない形で技を成立させることもあります。
身体能力そのものの成長に加えて、
「どのくらい力を使うか」を相手との関係の中で
選べる身体が育ってきています。
SAMPLE REPORT 02
ある生徒の成長の記録
教えられたことを覚えるだけでなく、自分で試し、発見する学びへ進んできた例
心
「やってみたい」という気持ちが学びの中心になっています
稽古の中で、
教えてもらうことをただ待つのではなく、
「まず自分でやってみたい」という気持ちが
はっきり表れるようになってきました。
自分で試して気づいたことがあると、
とても嬉しそうに指導員へ伝える姿も見られます。
できたことを褒めてもらうことだけではなく、
「こんなやり方を見つけた」
「こうすると違う動きになる」という発見そのものを
楽しめるようになってきたことが印象的です。
自分の学びを自分のものとして受け止める
主体性が少しずつ育っています。
技
見る・受ける・試すことをつなげて技を理解しています
技の学び方にも、
自分なりの方法が育ってきました。
指導員の動きを一度見たり、
実際に技を受けて身体で動きの流れを感じたりすると、
その感覚を次の稽古ですぐ試すことがあります。
うまくいかないときにも、
最初から答えを求めるのではなく、
立つ位置や身体の方向、相手への入り方などを
少しずつ変えながら確かめています。
最近では、教えられた形をそのまま繰り返すだけでなく、
相手の動きが変わったらどうなるのかを試したり、
道具の扱い方を工夫したりする姿も見られます。
「覚える」段階から、
「試して理解する」段階へ進んできています。
体
力だけではない身体の使い方に気づき始めています
身体が強くなってくるにつれて、
力を出せる場面も増えてきました。
その一方で、
力だけでは技がうまく成立しない経験も重ねています。
相手の力を正面から受け止めるのではなく、
タイミングを少し外したり、
身体の向きを変えたりすると動けることに気づき、
次の試行ですぐに身体の使い方を変えられることがあります。
また、実際に技を受けた身体感覚を手掛かりにして、
言葉だけでは分かりにくい力の方向や重心の変化を
つかむ場面も見られます。
「強くする身体」だけでなく、
感じて調整する身体へと学びが広がってきています。
SAMPLE REPORT 03
ある生徒の成長の記録
自分のペースを保ちながら、道場の流れを読み取れるようになってきた例
道場では、いつも集団の中心にいることだけが
参加の形ではありません。
この期間には、
周囲の遊びを少し離れたところから楽しそうに見ていたり、
自分のペースで身体を動かしたりしながら、
稽古が始まると自然に輪の中へ入っていく姿が見られました。
以前よりも「ここにいてよい」という安心感が育ち、
無理に周囲へ合わせなくても、
自分なりの方法で場とつながれるようになってきたように感じます。
同時に、周囲が何をしているのかをよく見ており、
必要なときには自然に動けるようになっています。
技
周囲をよく見ながら、稽古の流れそのものを覚えています
技では、指導員の言葉だけを手掛かりにするのではなく、
一緒に稽古する相手の動きをよく見ながら
自分の身体を合わせています。
以前よりも、
動くたびに指導員へ正解を確認することが減り、
相手とのやり取りの中で技を確かめられるようになってきました。
また、一つひとつの技だけでなく、
「前にもこの組み合わせをやった」
「この流れは以前の稽古と同じだ」といった形で、
稽古全体の構成を覚えている様子も見られます。
技の断片を覚えるだけでなく、
稽古の流れや関係まで含めて理解する力が
少しずつ育っています。
体
無理をせず、安全に参加する身体感覚が育っています
身体の面では、
周囲と同じことを無理にしようとするのではなく、
今の自分にできる動きを選べるようになってきました。
難しい受け身では安全な方法を選び、
三人組で待つときには、
投げられた生徒とぶつからない場所へ
自然に身体を置くことができます。
稽古の待ち時間にも、
周囲の邪魔にならない場所で身体を動かしたり、
他の生徒の動きを見たりしながら過ごしています。
「できるか、できないか」だけではなく、
自分の身体と周囲の状況を感じ、
安全な方法を自分で選べるようになってきたことも、
とても大切な成長だと思います。